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               築地市場や魚と流通に関する話題

「築地市場まつり」と「飲みねえ食いねえ祭り」
平成12年10月14日

前回ご案内した築地市場まつり(場内)と飲みねえ食いねえ祭り(場外)の顛末。

北洋物業界の販売所。 会場で行なわれた「模擬ゼリ」 販売用に準備した大量の魚。

イマイチだった「築地市場まつり」

 前回ご紹介した「築地市場まつり」が10月8日(日)に盛大に開催されました。
 今回は、3年前が予想外の多数の来場者で混乱した経験から、販売する魚も各業界ごとかなり多めに用意するなど準備万端整えての開催となりました。
 しかし、今回の来場者は前回の10万人を下回る約6万5千人にとどまり、前回とは逆にやや期待はずれの結果となってしまいました。
 これは今回の開催日が3連休の中日になっていた事、この時期が運動会シーズンと重なった事が原因していると考えられますが、何より不運だったのはプロ野球パリーグでダイエーの優勝が決まり、ちょうどこの日が「優勝セール」とばっちりかち合ってしまった事でした。
 市場の各業界は当社の所属する北洋物業界も含め、この日のために準備を整え、販売用の魚や人手も多数用意していたにもかかわらず「肩透かし」の結果となってしまい、用意した魚も約半分が売れ残る事態となりました。北洋物業界の塩鮭やたらこ、明太子などの商品は保存が利くので大した損害にはなりませんでしたが、生鮮魚の場合は深刻で、「鰹」などは売れ残った約500本は荷受経由で結局ダイエーの優勝セールで売ってもらったという笑えぬ話もある程でした。
 (とは言っても、来場していただいた人達には、それなりにみなさん満足して頂けた事と思います。)

 主催した市場としてはいろいろ反省する課題の多い結末となりましたが、せっかく復活した意義あるイベントです、今回限りで中止という事にならなければ良いのですが・・・。


来場者でごった返すメイン会場。 マスコミの報道も市場まつり以上?。 参加店は「半値市」でお買い得商品を提供。

年々盛況になる「飲みねえ食いねえ祭り」

 一方、場外市場で今日(14日)行なわれた「飲みねえ食いねえ祭り」には、昨年を上回る人手があり、メイン会場を始め場外市場の通りは年末を思わせる人ごみでごった返しました。
 このイベントは場外市場の振興組合の中でもどちらかというと若手の有志の発案で数年前に始まったもので、当初は組合の中でもこの種のイベントに対する理解がなかなか得られず、「若い者が勝手に何かやっておるワイ」といった冷ややかな見方をする人たちも少なくなかったのでした。しかし毎年回数を重ね、ほとんど手弁当に近い形で少ない予算の中でアイデアをひねり出しながらコツコツと続けるうちに、次第に協力する店も増え、会場に毎年足を運んでくれる一般の来場者も徐々に多くなってきたのでした。
 そして今年は、一瞬のイベントとはいえ歳末商戦を思わせるような人出となり、今回の「飲みねえ食いねえ祭り」は大成功と言って良いでしょう。


飲みねえ食いねえ祭りに・・・忘れられたIT革命前史

 ところで、この飲みねえ食いねえ祭りには、現在もてはやされているIT革命、Eコマースなどといわれている物の先駆的なイベントが行なわれていた事が、最近になって再発見されました。(大げさ?)
 それは今から4年も前、1996年に行なわれた「飲みねえ食いねえ祭りでの事でした。
 その当時NTTはISDNを盛んに売り込んでいて、現在のようにインターネットがまだ発達していない頃でもありISDNを使ったFENIX(フェニックス)という双方向のテレビ電話のようなシステムを立ち上げようとしていました。
 そしてたまたま祭りのイベントを企画していたスタッフの耳に入り、このフェニックスを使っての「模擬せり」が行なわれたのでした。
 回線の片方は、私達の友人でもある北海道釧路市の釧路丸水の近藤常務にお願いして出演していただき、あらかじめ築地へ送っておいた「たらばがに」や「塩鮭」などの魚を祭りの会場で、一般の人達に競ってもらうという趣向でした。
 東京と釧路の間でISDN回線を使い、値切るお客さんと魚を出荷した釧路丸水近藤常務との熱い駆け引きが展開され、会場は大いに盛り上がったのでした。マアこの時はお祭りと言う事で大サービスの価格で来場者に喜こんでもらう結果になりました。(近藤さんありがとうでした。)
 この史実はイベントとは言え、私の知る限りIT技術を使って実際に魚(に限らず)をセリにかけた最初の出来事ではないかと思います。
進歩の早いITの世界では、こういった事は結構忘れられがちで、何を隠そう私自信もすっかり記憶の彼方に飛んでいたのですが、最近築地場外市場のホームページを見ていて思い出したのでした。(築地魚河岸のホームページ、市場日記1996年11月6日)

リンク:築地場外市場のホームページ(築地場外市場商業振興組合)


普段はプロしか入場できない築地市場
築地市場周辺は、東京都の管理する「中央卸売市場築地市場」(通称;場内)と一般の人も自由に買出しができる場外に分けられます。
このうち都の管理する築地市場(場内)は卸売り市場のため、普段は魚商や寿司屋などのプロしか入ることのできない世界で、一般の人にはちょっと敷居の高い感じのする場所かもしれません。
 最近は観光客など一般の人が場内に入場している姿を見ることも珍しくなくなりましたが、それでもセリ場はもちろん仲卸の売り場などで実際に魚を買う事はかなり慣れた人でないと要領がわからず難しいのが現実です。
 その点、場外市場はプロと一般のどちらでも気軽に利用でき、食材(に限らず厨房用品まで)なら大抵そろえる事のできるけっこう「使える」市場です。

(北田喜之助)


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