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               築地市場や水産物流通に関する話題、魚や旨い物に関する話題など

「干し数の子」って知ってますか?。
平成11年12月15日

写真左:干し数の子(200g入り) 4日かけて戻すとこれだけ膨らみます。

 みなさんは「干し数の子」という物を知っていますか?。
 数の子といえば普通はきれいに化粧箱に入った500gや1kgの製品か、ペール入りの原卵、あるいは味付け数の子のパック、といった物を思い浮かべると思います。
 「干し数の子」はその名の通り、数の子をかちかちに固くなるまで干したもので、今ではすっかり希少品になってしまいましたが、冷蔵庫がなく他に保存法がなかった昔は、数の子といえば干し数の子の事だったのです。
 干し数の子は、数の子を浜の風にさらして干しあげた物で、食べる時には水で戻して元の数の子の形にして使います。

 昔、子供のころ父から聞いた話。
 「北海道の浜にヒグマが出た。漁師が隠れてヒグマの様子を見ていると、ヒグマは番屋に蓄えていた干し数の子を見つけ、気に入ったらしく腹いっぱい食べて行った。
 ヒグマが去って行ったので人が浜に出てみると、先ほどのヒグマが腹をパンパンに膨らませて死んでいた。ヒグマは食べた干し数の子が腹の中で膨れて死んだのだ。」
という話でしたが、本当の話か伝説か、ただのホラ話かわかりません。

 とにかく干し数の子は、元に戻す手間もかかり、また製造にコストも余計にかかるというので、今ではすっかりすたれてしまい、数の子の専門店を自認する当社「魚がし北田」の店頭でも、干し数の子を求めるお客様はほんの数える程にすぎなくなりました。実際の話、これを求めるお客様は高齢の方ばかりで、遠からずこの「干し数の子」は絶滅してしまうのではないかとさえ思えます。
 築地でもこの「干し数の子」を扱う業者はほんの一握りの店で、生産数量も少ないので、今でも珍しく「セリ」が行なわれています。(干魚セリ場)そして相場は物によっても違いますが、キロ当たり3万円〜4万円(4千円ではなく!!)近くもする高価な物なのです。
 こんな可哀想な干し数の子ですが、今でも本物にこだわる昔気質の料亭や、北海道の人達などには根強いファンがいる事も確かです。
 干し数の子は魚卵の世界の「絶滅危惧種」と言えるかもしれません。

 

干し数の子の食べ方
 干し数の子は戻すと3倍以上に膨らみます。戻し方は、最初やや濃いめの塩水を作り干し数の子を浸します。ひたした数の子は冷蔵庫の中など温度の低い所で戻します。
 塩水を1日に3〜4回替えて3日〜4日戻します。
 最後に真水で戻して普通の数の子と同様に味付けして食します。

コツとしては戻す時の温度を高すぎないように気をつける事。塩分は最初は濃い目にして徐々に薄くして(4〜5%)いくのが良いようです。
 そして最後に、塩を抜きすぎず少し塩気が残るように気をつけるのは普通の数の子の場合と同じです。

 当社では「干し数の子」は注文販売となります。もしご要望の際は当店の担当、桑谷 か 北川 までお問い合わせください。(値段は時価となります)

(北田喜之助)


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