築地市場や水産物流通に関する話題、さかなを中心に「おいしいもの」に関する話題など。気の向くままに集めてみます。


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カナダ産地リポート(その1)
平成11年8月10日

 カナダ紅鮭漁、不漁が決定的か?
  現在カナダのバンクーバー周辺に出張していますので、シーズン真っ盛りを迎えた(はずの?)カナダの状況を現地からモバイルでリポートします。
 今シーズンの北米の鮭鱒シーズンは、アラスカブリストルのそこそこの豊漁を受けて、鮭鱒全体がまったくの不漁だった昨年の状況がやや緩和しており、現在業界の関心はシーズンを迎えたカナダに集まっています。
 そもそもカナダ産の鮭鱒については、高品質な紅鮭の漁獲状況に関心が集中しており、カナダ産の紅鮭は色脂ともに良質な紅鮭としてギフト商材などとして欠かせない商材になっています。
 昨年のカナダ紅鮭漁はまったくの不漁となり、鮭鱒業界のムードを暗くする一因となっていただけに今シーズンはブリストルの豊漁に続きカナダも?と期待が高まっていました。
 
 ところが、いざフタを開けてみると今年もまたカナダ産紅鮭については壊滅的だった昨年ほどではないにしろ不漁の様相が色濃くなってしまいました。
 カナダは鮭の資源管理については非常に厳格なお国柄で、毎年一定量の鮭を河川に遡上させる事で資源を維持していて、鮭の資源量が少なく充分な遡上が見込めるまでは漁獲を全面的に禁止する(クローズ)事を行ないます。
 私がバンクーバーに到着した現地は正にその状態で、到着当日最初に訪問した加工場「Seafood Products社」でも全く鮭の姿は見られず活気のない工場の様子ににややがっかりさせられました。
 現在までの状況は、当初の840万尾の資源量予想がテストランの結果310万尾に下方修正され、資源保護のため必要とされる450万尾のうちまだ100万尾程度しかパスさせていない事を考えると現在のクローズ状態が解除され漁獲が再開するのはむずかしそうな気配になっているとの事です。
 また現在まで漁獲された分も、好調なドメス(国内消費)向けの生鮮出荷と値段の取れる激辛タルベニ(当社の販売しているものと同じ)に向けられ、日本企業の期待するフローズンについては殆ど生産していない(わずかに1500尾〜3000尾程度)との事で、フローズン向けの原料不足どころかカンズメ向けの原料不足まで心配する状況のようです。
 もしこのままカナダの紅鮭が不漁に終わると、ブリストルの豊漁を受けてせっかく落ち着いてきた鮭鱒相場が、色脂のある良品については再び品薄感が大きくなりそうで売り手も強気気配といったところです。
 また年末のギフト用にカナダ産のベニを企画に組み込んでいる業者はこの不漁で計画が狂う事になり、大手量販店D社向けの買い付けに来ていた同業者も頭を抱えて悩んでいました。

 また、本日(現地10日)にFisheries Meeting が開かれ、漁業局、加工業者、漁民の代表がこれからの資源量の再検討と漁獲の再開の可否を決める事になっていますが、Seafood Products社のマネージャー George Wilson 氏の話によると、4年前にあったような資源量の上方修正による漁獲再開は99%期待できないだろうとの事でした。

この結果については私が明日移動しますので、その報告といっしょに続報します。

(北田喜之助)


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